アイクラフト新人研修2016の技術研修では、「xrdpによるLinux仮想環境 (VDI) システムの構築」を課題に設定しました。この研修の成果物であるブログ記事を計5つ、シリーズでご紹介します。なお、ソフトウェアのバージョンなどの情報は、研修を実施した2016年3月時点のものです。(大久保)
(本ブログ記事の著者: 松本 麻莉菜)
1. はじめに
こんにちは。 3月から行われた「xrdpによるLinux仮想環境 (VDI) システムの構築」プロジェクトの新人社員研修の内容を、
- 調べた内容 (技術的記事): 「xrdp構築」「Samba4でのAD」
- 研修の内容 (研修レポート): 「研修方法 (研修担当者向け)」「研修コンテンツ (学生向け)」「研修での勉強方法」
上記のように分担し、新人それぞれでブログを作成しました。 ここの記事では、研修担当者向けに研修プログラムの全体像や研修方法等について説明している内容になっています。
2. 研修プログラム
新入社員5名 (未経験者3名, 経験者2名) を対象に「xrdpによるLinux仮想環境 (VDI) システムの構築」プロジェクトの研修が行われました。 この研修のゴールは以下の2点です。
- 社内にxrdpによるLinux仮想環境 (VDI) を構築することを経験する
- 必要となる技術情報を洗い出してノウハウを纏めること (アウトプットは構築手順書とする)
3. 学びの目標
全員
- スクラムでの業務の回し方、チームでのコミュニケーション方法を使いこなせるようになる
- 技術調査の方法と情報の共有 (簡単なドキュメンテーション) が出来るようになる
- 情報の収集、編集、発信が出来るようになる
- 仮説検証の枠組みと方法が理解出来るようになる
研修プログラムの全体像を説明。スクラムをどのように使ったか。
- 実際の仕事にどう役立っていくのかイメージ出来るようになる
- 自身のスキルレベルの把握と、どこを伸ばしていくべきかを考えられるようになる
経験者
- 詳しくないメンバーをフォロー、トレーニングして、いかにどのようにして教われば伝わるかを経験する
- 比較的難易度の高い課題について、仮説検証を通じてアプローチする経験をする
未経験者
- UNIX系の基本的なコマンドを習得する
- 調べた手順通りに構築する経験を得る
4. スクラム
アジャイルソフトウェアの開発手法の1つである“スクラム”を採用し研修を進めました。
スプリント計画 (スプリントプランニング)
スプリント・バックログを考えて付箋に書き出し、視覚的に状況を把握し短時間で最新状況を共有するために手作りのタスクボードを使用しチーム全員のタスクを管理しました。
- To Do (これからやること)
- Doing (着手していること)
- Done (完了したこと)
という3つの領域の中でタスクを表す付箋を動かしていき、チーム全員でゴールに向けて達成していきました。
スプリントの設定は、
- 経験者2名: 未経験者のフォローや構築手順書の作成
- 未経験者3名: UNIX, Vim, ネットワークコマンド等の基礎的な学習、制作された手順書通りに構築
等といった内容にし、それぞれのタスクを進めていきました。 今回の研修では、「経験したことのあるタスクはとらないこと」を縛りのルールとしてあります。
スクラムを使用することでチーム全員の状況や、しなければいけないこと等が一目で把握出来たのが良かったです。 タスクを付箋で移動させたりしていたので日数が経つにつれ、タスクボードから剥がれていたり、色分けもきちんとしていなかったのでどこのタスクか分らなくなってしまったりすることもありました。 場所ごとに色を分けたり、内容ごとに色を分けるなどといった工夫も必要だと思いました。
デイリースクラム
「チームとして情報を共有すること」が必要不可欠なので全員で進捗を確認し情報共有するため毎日行いました。
- 昨日行ったこと
- 今日行うこと
- 問題になっていること
この3点を1人1分くらいで発表しチーム全員で共有しました。
全員でお互いの進捗を伝え合い情報共有することで、チーム間で何が足りないかなどを把握することが出来ました。 また、チーム間のコミュニケーションの重要性を実感しました。
スプリントの振り返り (スプリントプランニング)
KPT法で付箋にそれぞれ書き出し振り返りました。
- K (Keep): 良かったこと,これからも続けていきたい事
- P (Problem): 問題点を書く
- T (Try): 次にしたいこと、またProblemからの改善点を書く
振り返りを行うことで、研修成果や次回の研修に向けての課題などが見つかりました。
5. 所感
「スクラム」の仕組みを学び、チームで共通のゴール目標に達するために決められたルールの中、共同して作業をすることの大切さやチーム間のコミュニケーションの重要性を学ぶことが出来ました。 また、相手に文章を分りやすく伝えるのは難しいと改めて実感しました。
最後まで読んで頂きありがとうございました。